林動物病院

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実はとっても怖いノミ・マダニ ! 人にも感染し、致死率30%のSFTSとは!?

2024年03月01日

寒い冬が終わりワンちゃんの散歩が楽しくなる季節の到来とともに、ノミ・マダニが活発になる季節もやってきました。「愛犬にノミ・マダニがついているのを見たことがないから大丈夫」「室内飼いだから大丈夫」と思っていませんか?

 

ノミやマダニは暖かい時期に発生しやすく、人の服などについて家の中に入ってきたり、姿を隠したりすることもあります。現代の私たちの快適な住まいは、ノミ・マダニにとっても快適であり、たとえ真冬でも十分寄生することができる環境なのです。ノミは13°以上で繁殖が可能で、マダニは15°以上で活動が活発になります。

ワンちゃんが痒い思いをするだけでなく、ノミが原因でおこる病気もノミアレルギー、爪実条虫症などたくさんあります。マダニが原因でおこる病気は、SFTS(重症熱血小板減少症候群)、赤い発疹が出て筋肉痛や関節痛になるライム病、血液に寄生し、ひどい貧血を起こすバベシア病などがあり、命に関わる感染症を引き起こす場合もありますし、ワンちゃんだけでなく同居されているご家族がかかる病気もあります。

マダニから感染するSFTSは、での致死率が25%では50~70%人間では27~30%との報告があります。

マダニからも感染しますが、SFTSに感染した犬や猫からも感染しますし、感染した人から人にも感染します。

静岡県内でも、SFTS感染者の報告が増えています。

 

マダニは、草むらや、河川敷など水のある所に多く潜んでいますので、なるべく近づかないようにしましょう。また、愛犬に寄生しているマダニをみつけた場合、引っ張ってとってしまうとマダニの体の一部が皮膚に残り、炎症をおこします。自分でとらずに、すぐに診察にお越しください。また、マダニがまだどこかに潜んでいるかもしれないので、時間をおかずに予防薬を使うことも大切です。愛猫や愛犬を守ると同時にご自身を守るためにも予防はしっかり行う事が大事です。

 

予防薬には市販薬もありますが、病院で出される薬とは違い、十分な予防や駆虫は期待できない場合があります。しっかり予防するためにも、ぜひ病院にご相談ください。現在は、予防薬の種類も増え、[皮膚に塗布するタイプ][オールインワンタイプ(ノミ・ダニ・フィラリア)][3か月間対応のノミ・マダニ予防]など、さまざまなタイプがあります。ワンちゃんのライフスタイルやご予算に合わせてお選びいただくことができます。想像以上に怖いノミ・マダニ。大切なワンちゃんのためにも飼い主さんのためにも警戒と対策の意識を高めましょう。