# 91 : 猫の腹腔内潜在精巣摘出術 / 【正常に降りてこなかった精巣】
今回は、猫の腹腔内潜在精巣摘出術についてお話しします。今回の症例は、先日当院で行った手術で、腹腔内に残っていた精巣を摘出しました。
潜在精巣とは?
雄猫の精巣は生まれた時はお腹の中にありますが、通常は生後2カ月齢までに陰嚢内に降りてきます。しかし、一部の猫では精巣が正常に降りてこないことがあります。これを「潜在精巣」と呼びます。精巣が体内(腹腔内や鼠径部)に残ったままになると、精巣腫瘍のリスクが高まるため、摘出手術が推奨されます。
腹腔内潜在精巣摘出手術
腹腔を開き、腹腔内の精巣(黄丸)を探し出しました。
精巣摘出後、丁寧に腹壁と皮内(写真)を縫合しました。
まとめ
潜在精巣は放置すると、腫瘍やホルモン異常による健康問題を引き起こす可能性があります。早期発見と適切な治療が大切です。心配なことがあれば、動物病院を受診して下さい。
獣医師:林 敬明
この内容は2024年12月の時点の情報です。
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