# 72 : 犬の会陰ヘルニア整復術 / 【お尻の横の膨らみ】
今回は犬の会陰ヘルニアの症例です。
犬の会陰ヘルニア整復術については以前の# 43 : 会陰ヘルニア整復術 / 【未去勢のオスは要注意!!】でも説明させて頂きました。
今回の会陰ヘルニアの症例は13歳の未去勢のトイプードルです。主訴は数日前からのお尻の腫れです。
会陰ヘルニア整復手術
肛門の右側(赤丸)が左側と比較して腫れています
皮膚を切開した状態です。
ヘルニア嚢に切開を入れ中身の精査していきます
ヘルニア孔を閉鎖するためにプロピレンメッシュを使用します。
今回の症例のヘルニア孔に合うように形を加工(白丸)しました。
プロピレンメッシュとの縫合部位ですが、時計の12時方向では肛門挙筋・尾骨筋と縫合し、3時方向:仙結節靭帯、6時方向:内閉鎖筋(坐骨骨膜)、9時方向:肛門括約筋とそれぞれ縫合して強固に固定を行いました。
同時に去勢手術も行い今回の手術は終了としました。
術後の経過は順調です。
まとめ
会陰ヘルニアとは、肛門周辺(会陰部)の筋肉が薄くなってしまい、その隙間から臓器や脂肪が出てきてしまう病気です。出てくる臓器によっては緊急性を要する事もあります。
原因は男子ホルモンが関係していると言われ、未去勢の雄に多く発症します。そのため適正な時期に去勢手術を実施してあげることが勧められます。
愛犬の排便困難やお尻の腫れを見つけた場合はなるべく早く動物病院に連れて行ってあげて下さい。
獣医師:林 敬明
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