# 57 : 超小型犬の橈尺骨骨折整復術 / 【ダブルプレート】
今回の症例は体重が1.4キロと超小型犬の橈尺骨骨折です。
橈尺骨の骨折は以前の『# 46 : 橈骨尺骨骨折整復術 / 【小型犬で多い前足の骨折】』でも紹介させて頂きました。
当院ではLCPシステムを使用した骨折の手術を行っていますが、今回の症例の橈骨は幅が4.0mm、厚さが3.3mmと、とても細くLCPシステムで使用するスクリュー径は適応外でした。そのため1.1mmと1.3mmのスクリューを使用して橈骨の正面と側面にプレートを設置するダブルプレート法にて手術を行う事にしました。
術前の正面と側面からのレントゲン写真です。
骨折部は白丸部位です。橈骨も尺骨も完全に折れているのがわかります。
橈尺骨骨折整復手術
術後のレントゲン写真です。
橈骨の正面と側面に2枚のプレートを設置しました。
骨癒合は順調に進み、正面のプレートを抜去して今回の治療は終了としました。
まとめ
超小型犬の橈骨の骨折整復手術は、わずかなミスにより癒合不全や骨萎縮などが起こります。
しかし一番大事な事は愛犬を骨折させない事です。小型犬の骨は想像以上に細く、簡単に骨折してしまいます。そのため愛犬が骨折しないよう、今一度飼育環境を見直してリスクヘッジを行って下さい。
獣医師:林 敬明
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