# 56 : 膝蓋骨内方脱臼整復手術 / 【中型犬のパテラのオペ】
トイプードルやポメラニアンなどの小型犬が多い膝蓋骨の内方脱臼ですが、中型犬でも認められる事があります。
今回の症例は14キロの柴犬です。膝蓋骨が脱臼する事で跛行が認められました。
レントゲン写真です。両足の膝蓋骨が内側に脱臼(ピンク丸)しています。
膝蓋骨内方脱臼整復手術
手術の基本は# 24 : 膝蓋骨内方脱臼整復術 / 【小型犬に多い、膝のお皿が緩い】で説明した、
①滑車溝形成術【ブロック状造溝術】
②縫工筋解放術
③関節包縫縮
④脛骨粗面転移術
になりますが、中型犬は小型犬に比べ筋肉が大きく、力も強いので、④の脛骨粗面転移術のピンを少し補強する必要があります。
⑤TBW(テンションバンドワイヤー):④の術式のピンにワイヤーをかけて強度をあげます。
以上の5つの術式を今回の膝蓋骨内方脱臼整復手術で実施しました。
術後のレントゲンです。両足とも膝蓋骨が正常な位置(黄矢印)にはまっています。
脛骨粗面転移術で使用したピンをより強固にするために、テンションバンドワイヤ-で補強をしています。
まとめ
小型犬で多い膝蓋骨の脱臼ですが、中・大型犬でも起こる事があります。
脚を痛がるだけでなく、脚を上げたまま歩く、引きずる・かばうなどの症状があれば動物病院を受診してあげて下さい。
獣医師;林 敬明
カテゴリ
- 外科 (84)
- 軟部外科 (59)
- 整形外科 (25)
- 胸部外科 (4)
- 歯科口腔外科 (6)
- 耳科手術 (1)
- 呼吸器外科 (6)
- 消化器外科 (10)
- 泌尿器外科 (6)
- 肝臓・胆嚢・脾臓外科 (12)
- 内分泌外科 (1)
- 生殖器外科 (11)
- 眼科手術 (6)
- ヘルニア整復手術 (6)
- 腫瘍摘出手術 (19)
- 内視鏡 (3)
- 内科 (2)
- その他 (1)
アーカイブ
- 2024年11月 (1)
- 2024年10月 (3)
- 2024年9月 (3)
- 2024年8月 (3)
- 2024年7月 (3)
- 2024年6月 (3)
- 2024年5月 (3)
- 2024年4月 (3)
- 2024年3月 (3)
- 2024年2月 (3)
- 2024年1月 (3)
- 2023年12月 (2)
- 2023年11月 (2)
- 2023年10月 (2)
- 2023年9月 (3)
- 2023年8月 (2)
- 2023年7月 (2)
- 2023年6月 (2)
- 2023年5月 (3)
- 2023年4月 (2)
- 2023年3月 (2)
- 2023年2月 (2)
- 2023年1月 (1)
- 2022年12月 (1)
- 2022年11月 (1)
- 2022年10月 (1)
- 2022年9月 (1)
- 2022年8月 (1)
- 2022年7月 (2)
- 2022年6月 (1)
- 2022年5月 (1)
- 2022年4月 (2)
- 2022年3月 (1)
- 2022年2月 (2)
- 2022年1月 (3)
- 2021年12月 (1)
- 2021年11月 (2)
- 2021年10月 (1)
- 2021年9月 (1)
- 2021年8月 (1)
- 2021年7月 (2)
- 2021年6月 (2)
- 2021年5月 (1)
- 2021年4月 (1)
- 2021年3月 (2)