# 55 : 犬の膝蓋骨外方脱臼整復手術 / 【中型犬の後肢の跛行】
今回は膝蓋骨の外方脱臼整復手術についての話です。
トイプードルやポメラニアンなどの小型犬の膝蓋骨内方脱臼は有名な疾患ですが、小型犬に比べ中・大型犬は膝蓋骨が外方に脱臼しやすいと言われています。しかし最近は小型犬でも同一個体で膝蓋骨の内・外脱臼の両方を起こす症例にも遭遇します。
膝蓋骨の外方脱臼の整復手術は、単純に内方脱臼整復手術の反対をすれば良いわけではなく、今現在、完璧な手術方法のガイドラインは存在していません。
膝蓋骨外方脱臼整復手術
今回の症例で行った術式は
・滑車溝形成術
・膝蓋骨の外側リリース
・関節包内側補強
・大腿四頭筋群の筋間に膝蓋骨脱落防止スクリューの設置
を行いました。
術後のレントゲン写真です。
術前は患肢の痛みが強く跛行が認められましたが、術後は傷が癒えたら患肢をしっかり付けて、とても活発に動くようになってくれました。
まとめ
膝蓋骨の内方脱臼が小型犬で多いのに対して、膝蓋骨の外方脱臼は中・大型犬で多いと報告があります。
膝蓋骨の外方脱臼は内方脱臼に比べ痛みが強いと言われています。
跛行の原因は色々とあります。愛犬が足をかばっていたり、跛行が認められる場合は動物病院を受診してあげて下さい。
獣医師:林 敬明
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