# 93 : 犬の尿管結石摘出手術 / 【急性腎不全を起こした尿管結石】
【症例紹介】
今回は、12歳のチワワちゃんが食欲不振と元気消失、ふらつきで来院された症例をご紹介します。
検査結果
血液検査と画像検査を行いました。
- 血液検査
強い炎症反応が見られ、腎臓の機能を示す数値は測定不能なほど高値でした。 - レントゲン検査
右の腎臓に結石(色丸)が確認され、さらに左の尿管には大きな結石(赤丸)があることがわかりました。
- エコー検査
左尿管の結石(黄丸)が映し出されました。この結石が尿管を塞ぎ、腎臓に深刻なダメージを与えていることが判明しました。
尿管結石摘出手術
緊急性が高いため、結石除去のための外科手術を行いました。手術では以下の処置を行っています。
1.尿管の確認
尿管の中の結石(黄丸)が透けて見えています。
2.尿管の切開
尿管を切開すると中から結石(白矢印)が目視されました。結石を慎重に取り除きました。
3.尿管の縫合
切開した尿管を縫合(黄丸)し、正常な状態に戻しました。
術後の経過
手術後は腎臓の数値が順調に改善し、元気を取り戻して無事に退院しました。
なお、今回の結石は「シュウ酸カルシウム」という種類のものでした。
まとめ
今回の症例のように、結石が尿管を塞いで腎臓に負担をかけることがあります。症状が重くなる前に早めの診察を受けることで、ワンちゃんの命を守ることができます。
元気がない、食欲が落ちたなどのサインに気付いたら、動物病院を受診して下さい。
獣医師:林 敬明
この内容は2025年1月時点の情報です。
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