# 83 : 猫の脾臓摘出術 / 破裂した脾臓腫瘍【血管肉腫】
脾臓は免疫機能、造血機能、血液の貯蔵という働きを担っています。血液が豊富な脾臓が破裂すると、大出血を起こし、命の危険があります。
今回の症例は13歳の猫ちゃんです。数日前のエコー検査で脾臓に巨大な腫瘤(赤丸)が認められました。
再度来院された際に再びエコー検査を行うと、腹腔内に出血を認めたため、脾臓腫瘤の破裂を疑いました。血液検査ではヘマトクリット値が6.8%と重度の貧血を起こしていたため、すぐに輸血を開始し、そのまま緊急手術を行わせていただくことになりました。
脾臓摘出手術
開腹すると、すぐに脾臓の腫瘤が認められました。
脾臓の腫瘤は周りの組織と激しく癒着していたため、慎重に剥離していきました。
摘出した脾臓です
術後は次の日から食欲旺盛で元気な姿で退院してくれました。しかし病理検査の結果は血管肉腫という診断でした。内臓型の血管肉腫は悪性度が高く予後が非常に厳しい腫瘍です。
今の食欲・元気がある状態が一日でも長く続いてくれることを祈るばかりです。
獣医師:林 敬明
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