# 80 : 鼠径ヘルニア整復手術 / 【急に腫大した鼠径ヘルニア】
今回の症例は、16歳未避妊のダックスフンドです。
以前からあった鼠径ヘルニアが急に大きくなったとの事で来院されました。
こちらは鼠径ヘルニア嚢の中のエコー写真です。管腔臓器(小腸)が認められます。
ヘルニア嚢内に腸が入り込むと、腸が壊死をしてしまう場合があるので大変危険です。
そのため外科的に鼠径ヘルニアの整復をさせて頂く事になりました。
鼠径ヘルニア整復手術
左の鼠径部に大きな鼠径ヘルニア(赤丸)を確認できます。
今回は鼠径ヘルニアの整復と卵巣・子宮摘出手術を行いました。
皮膚の切開後にヘルニア嚢を切開すると中には小腸と左の子宮が入り込んでいました。
小腸や脂肪を腹腔内に戻し、再度ヘルニアを起こさないように、強度を上げた縫合(白丸)を行いました。
まとめ
今回の症例はヘルニア嚢内に多くの腸管が入り込んでいましたが、幸い大事には至りませんでした。しかしヘルニア嚢内に膀胱や今回のように腸管が入り込む事で炎症や壊死を起こすと、緊急性があり大変危険な状態です。
愛犬の足の付け根に膨らみを見つけたら動物病院で診察を受けて下さい。
獣医師:林 敬明
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