# 29 : 猫の漏斗胸 整復術 / 【仔猫の呼吸困難 ・ 胸が凹んでいませんか?】
先月に続き今月も猫の漏斗胸の手術を行いました。
漏斗胸については前回の『整形外科用骨プレートを用いた子猫の漏斗胸整復手術』でも説明させて頂きました。
詳細は『コチラ』からどうぞ。
猫の漏斗胸は先天性の病気です。外科治療は変形している胸骨をなるべく正常の位置に戻す事です。
そのため、成長期である生後3か月位までが手術の適期になります。
今回の症例の猫ちゃんは生後5か月齢でした。他院で漏斗胸と診断され、事前に電話で相談を受けていたので、初診日に手術をさせて頂きました。
5か月齢という年齢から、手術中に胸骨をどれだけ正常な位置に戻せるかわからないため、今回は4種類の術式の準部をして手術に臨みました。
手術前の仰向けの写真です。胸が陥没(赤矢印)しているのがよくわかります。
術前のレントゲン写真です。
胸骨が背側に変異しています。(赤矢印が変異した胸骨を示しています)
。
術後のレントゲン写真です。
今回の症例は生後5か月齢の猫ちゃんでしたが、術前に比べかなり正常に近い部位まで胸骨(黄色矢印)を戻すことが出来ました。
今回は先月の漏斗胸とは違う術式で手術を行いました。
使用したプレートは前回同様に整形外科用のプレート(ピンク矢印)を使用し、プレートは胸骨や肋軟骨が正常な胸郭の形になるようベンディングを行い使用しました。
退院後は飼い主さんが心配になる程、活発に遊んでいるそうです。
まとめ
仔猫で呼吸が苦しく、胸が凹んでいる場合は漏斗胸の可能性があります。
漏斗胸の手術は成長期に行う必要があるため、早めに病院に連れて行ってあげて下さい。
成長期のうちに手術が出来れば、良い結果が認められることが多いです。
今後、1頭でも漏斗胸で苦しむ猫ちゃんを助けれたらと思います。
獣医師:林 敬明
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