# 19 : 犬のマイボーム腺腫切除術 / 【瞼の出来物】
今回はマイボーム腺腫の切除の話です。
眼瞼(がんけん=まぶた)の縁にマイボーム腺があります。
マイボーム腺の働きは、目が乾かないように、涙の蒸発を防ぐ為の油成分を分泌しています。
マイボーム腺腫とは、このマイボーム腺が腫瘍化して眼瞼にイボ状の腫瘤が認められる事です。
高齢なワンちゃんにできやすく、初めは小さい出来物ですが徐々に大きくなっていきます。
大きくなると、腫瘍が自壊し、出血を起こしたり、感染を起こしてしまいます。
また、眼瞼の内側にできると角膜を刺激し、角膜炎になる事もあります。
そのため、良性の腫瘍であっても切除してあげることが最良の治療になります。
今回の症例は13歳のアメリカン・コッカースパニエルです。
以前からあった眼瞼の腫瘤が徐々に大きくなり自壊したため切除手術となりました。
手術当日の写真です。わりと大きな腫瘍(白矢印)です。
手術を行っていきます。
瞼をひっくり返すと裏にも腫瘤が認められました。
この腫瘤も取り残しがないように切除します。
切除後は眼瞼がピッタリと合うように、通常の縫合ではなく、特殊な縫合方法を用いて丁寧に縫合していきます。
切除した腫瘍です。
表の腫瘍だけでなく、裏にあった腫瘍も切除されています。
手術前の不快感からは解放されたと思います。
まとめ
瞼の腫れとして、麦粒腫(ものもらい)や霰粒腫(分泌物の貯留)などもあります。今回のマイボーム腺種は良性の腫瘍ですが、小さくはならないので、外科的に切除してあげることが最善の治療です。
また猫では眼瞼の腫瘍自体珍しいのですが、眼瞼に出来た腫瘍は悪性の可能性が高いので、早めに受診してあげて下さい。
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